人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

カンブリア宮殿 ガイアの夜明けに登場した日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」 / 川鍋一朗 (著)

タクシー業界最王手日本交通の三代目社長・川鍋一郎氏(37歳)が昨年末、突如タクシードライバーを志願しました。川鍋氏といえば『カンブリア宮殿』や『ガイアの夜明け』といったテレビ番組や数多くの雑誌に登場し、辣腕経営者で知られた人物です。慶応大学卒、MBA取得、マッキンゼー勤務の華々しい履歴を持ち、借金まみれだった日本交通の経営方針を「脱・安易な安売り合戦」に定めて独自路線で立て直した結果、他社よりも1割ほど高い売上を維持しているそうです。

本書は、その川鍋氏が新人ドライバーとして一ヶ月間、自らハンドルを握って都内を乗務した日記形式の奮闘記です。現場を知らないボンボン若社長が現場に乗り込んで、失敗を重ねながら成長していく――。「タクシー王子」のタイトルからそんなイメージを持つかもしれませんが、そこは川鍋氏。タクシードライバーとしては致命的な「道を知らない」という大問題を抱えつつ、初めてのチップに喜び、学んだ地理が実際に役立っていく醍醐味を味い、長距離(ロング)のお客さんに遭遇して心の中でガッツポーズしたりと、ユーモアあふれた乗務記録でありながらも「仕事」や「サービス業」の本質を考えさせられます。

現役の同世代タクシードライバーは川鍋氏の人柄に「ひと言、しびれた……」と感想をもらし、一般サラリーマンは「こんな会社で働きたい」と憧れを抱き、経営者は「今の時代を生き抜く戦略はやっぱりこれか」と襟を正す。社長としての気づきより、日常のちょっとした仕事から学ぶ気づきの多さを教えられると同時に、タクシードライバーの舞台裏をのぞく読み物としても十分楽しめるでしょう。

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