人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

人間心理を見事について大ヒット!

小指を立てた男性が、「私はこれで会社を辞めました」とオチをつけたCMで大ヒットした『禁煙パイポ』。喫煙者にとって苦行とも思える禁煙を笑いに変え、「タバコやめなくちゃ」を「タバコやめたくなった」と思わせた心理作戦がヒットの要因だったのでしょう。今年の上半期ヒット商品にも上がったタカラトミーの『人生銀行』も、「お金貯めなくちゃ」を「お金貯めたくなった」と思わせる貯金箱です。

■貯金をしながらバーチャルライフを楽しむ心理作戦

『人生銀行』は500円玉硬貨専用の貯金箱で、最大10万円貯められます。この発想は目新しいものではありません。『人生銀行』がわざわざ「貯めたくなる」とうたうのは、貯金箱の中に“住人”が住んでいる設定で、貯金額によって住人の人生が変わっていくというストーリーがあるからです。500円単位の目標金額と1ヶ月以上1年以下の達成日数を設定でき、いつまでにいくら貯金するかを具体的にイメージさせるアイデアは、さすが『人生ゲーム』を生み出したタカラトミー。人の心理をよく理解しています。

住人は三畳一間の質素な生活からスタートします。貯金額が増えるごとに広い部屋に住み替え、就職、恋愛、結婚、出産といった人生の様々なイベントを体験し、目標日までに目標額を達成すると“ハッピーなエンディング”、達成できないと“残念なエンディング”を迎えることになります。途中で挫折してお金を取り出すとリセットがかかり、住人は三畳一間に逆戻り。貯金が滞ると住人が催促したり、住人の幸せ度数をアップさせるミニゲームがあったりと、あの手この手で貯金に飽きさせない仕掛けをしています。お金を貯めてステップアップを図るのは実人生でも同じこと。「いい人生を送りたい」という人間の欲を貯金箱で刺激するとは!

貯金をしている人の3分の1が貯金箱を利用しているそうです。タカラトミーはこの結果を、「貯金箱の潜在的なニーズあり」と分析しました。しかし、貯金箱の貯金が長続きしないのは体験的にご存知の通り。そこでタカラトミーは、実用品に遊び心を加えることで楽しく貯金できる貯金箱を考えたのです。人間心理から発想した見事なアイデアですね。ぜひ参考にしたいものです。

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