人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

仕事と作業。

今年の新入社員が「デイトレーダー型」と命名されたのはご存知でしょう。“デイトレーダー”とは一日に何度も株取引をして利益を得ようとする個人投資家のこと。今年の新人の傾向は、就職した会社とともに成長していこうと考えるより、より良い待遇や仕事を求めて“銘柄の乗り換え”(転職)を目論んでいる、との分析です。突然の吸収合併や倒産を見てきた世代が自分の身は自分で守ろうとすると、自己主張の強い利益追求型になるのかもしれません。

さて、そろそろ新人研修も終わり、職場で少しずつ仕事を任せている頃でしょうか。新入社員の側からすると、「仕事が楽しい」「仕事は大変」の分かれ目になる時期でもあると思います。仕事を“楽しい”と感じてもらうのは社員のやりがいに通じ、会社にとっても良いことのように思えますが、“楽しい”の中身を取り違えている社員は、そのうち“銘柄の乗り換え”を考えるようになるかもしれません。なぜなら、仕事とは本来、大変なものだからです。

新入社員が最初に任される多くは日々の雑務でしょう。内容は単調でも、業務全体を把握し、仕事の流れを理解する上で必要不可欠です。しかし、決まりきった日常の業務は“仕事”ではなく“作業”だと理解して取り組んでいるでしょうか。指示されながら業務を覚え、できなかったことができるようになる過程は仕事に限らず楽しいものです。「仕事が楽しい」と感じている新入社員は、極端なことを言えば作業を楽しんでいる状態だと思います。

ある社長が、「作業はできて当たり前。作業をしながら、“効率的に伝票をまとめるには? ミスをなくす検品方法は?”といった疑問が湧き、解決策を考えたときはじめて“仕事をした”と言える」とおっしゃっていました。つまり、問題点を発見して自分の頭で考える社員を育成することが“人材育成”なのだそうです。

「仕事は大変」だと感じるのは、すでに自発的に取り組んでいる証拠ではないでしょうか。一生懸命“作業”をする社員が“仕事”の大変さを知り、“仕事”での達成感を味わうようになれば、安易な“銘柄の乗り換え”が色あせて見えてくるかもしれません。

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