人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

海外市場をターゲットにする

シャープの創設者・早川徳次氏は発明家としても知られています。名を上げたのが、シャープという社名の由来にもなった「シャープペンシル」の発明。“日本のエジソン”とも呼ばれた早川氏はシャープペンシルの原型である「繰出(くりだし)鉛筆」の改良品で特許を取り、その製品はボールペンが登場するまでの30年間、大ブレイクを続けました。

■欧米から火がついて大ヒット

シャープペンシルの原型となったセルロイド製の「繰出鉛筆」は見た目が悪く、しかも壊れやすくて実用向きではなかったそうです。19歳という若さで金属加工業者として独立した早川氏は、得意の金属加工技術で繰出鉛筆の外装や構造を加工し、独創的な芯の繰り出し装置を完成させました。1915(大正4)年、実用性を追求した改良品を「早川式繰出鉛筆」として特許申請し、改めてスクリューペンシル、プロペリングペンシルの名で売り出しました。しかし文具業界からは、「軸が金属なので冬は使いづらい」「和服には向かない」と大不評だったそうです。

ところが、海外ではまったく逆のことが起こりました。海外販売を試みたところ欧米で大好評となり、横浜の貿易商から大量注文が入ったのです。この評判を聞きつけた国内の問屋からも注文が殺到し、品薄で生産に追われるほどになりました。早川氏はその後も改良を重ね、名称も「エバー・レディ・シャープ・ペンシル(常に芯が尖っている鉛筆)」と改めました。後に「シャープペンシル」と呼ばれるこの商品は大正デモクラシーに湧く当時の人々から“シャレた文具”として愛され、国内でも大ヒットを飛ばしていくことになるのです。

今年の3月。スイス・ジュネーブで開かれた国際モーターショーで、一台の日本製スポーツカーが各国の参加者たちの目を引きました。世界的なカーデザイナー奥山清行氏が、岩手県の某下請け工場の職人たちと開発した“地方発の1500万円スポーツカー”は、いきなり世界を相手にした販売戦略で20台の注文を取り付けたそうです。発明品の市場を海外に求めてみる――。無謀な挑戦に思えるかもしれませんが、需要があればモノは海を越えるのです。

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