人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

日本でいちばん大切にしたい会社

坂本光司(著)/ あさ出版  1,470円(税込)

本書は、6000社を超える中小企業を訪問取材した著者による「正しい企業経営」の指南書です。しかし取り上げているのは、売上高を誇ったり業界の《風雲児》的存在だったりする企業ではありません。登場するのは、小規模の無名企業でありながらも、「日本にはこんなすばらしい企業があったのか!」と思わず唸ってしまうような「正しい経営」を実践して、着実に業績を上げている5社です。

そのうちの1社は、社員の7割が何らかの障害を持っていることで話題になったチョーク製造会社、日本理化学工業。鳩山首相が感銘を受け、所信表明演説で紹介したあの企業です。

「人様の役に立つ、それが働くことの醍醐味」

という大山泰弘氏(現会長)の姿勢は、仕事のための仕事をする人が増えた現代社会に、人間の幸せや喜びとは何かを問いかけます。この問いの答えが、そのまま著者の言う「正しい経営」に通じます。

著者は、「会社経営とは『5人に対する使命と責任』を果たすための活動」であるとして、経営の目的を次の5つに定めています。

①社員とその家族を幸せにする

②外注先・下請企業の社員を幸せにする

③顧客を幸せにする

④地域社会を幸せに、活性化させる

⑤株主を幸せにする

経営の理念や方針は《お飾り》ではなく、企業の健全な成長に不可欠な要素であると痛感させられます。

 

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