人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

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「ゆとり世代」の能力

惜しまれつつ引退された王監督は、ご自分の体調に限界を感じたと同時に、若い選手との「野球」や「勝負」に対するギャップを埋める気力にも限界を感じてしまったのかもしれません。68歳でも「心ときめかせて」野球をし、勝ちにこだわってきた王監督が、「選手たちは最近、負けることへの抵抗がちょっと薄れてきたようだ」と話されたときの表情が、なんとも切なそうだったと聞きました。勝負師にとっては、負けず嫌い、闘争心というのは、ひとつの大切な能力です。やはりマネージメントを預かる者としては、そのあたりの基礎的な能力の欠如は気になっていたのでしょう。

「世代のギャップ」とよく言います。理解できない理由を世代のギャップだけで片づけるのはどうかと思いますが、確かに世代の特徴は侮れません。それでも一緒に仕事をしていれば何となく埋まってくるものだと、今までなら体験的にそう思えたものですし、実際に何とかなってきたでしょう。しかし、今年あたりから社会に出てきた世代はなかなか手強いようです。

1985年生まれを中心とした世代は「ゆとり(教育)世代」と呼ばれます。85年生まれが小学生になった年から小学校は第2土曜日が休みになり、中学に入学する年には小中高の完全週休2日制が実施されました。

ある集団を「ゆとり世代」のような言葉でひとまとめにするのは乱暴なことですが、時代の風潮や風俗抜きには語れないことも確実にあります。その意味では、「ゆとり世代がエイリアンに見える」といった意見に納得する人は少なくないでしょう。

今年、ゆとり世代を社員として迎えた会社では、すでに混乱が起きているとも聞きます。過剰なほど周囲の目を気にするような繊細な面があるかと思えば、上司にも横柄な(そう見える)態度で接するアンバランスさ。多くのことをケータイメールで済ませてしまう彼らには既存の新人教育では対応できず、「ゆとり世代用研修マニュアル」を作った会社もあるようです。

しかし、彼らには彼らのよさがあるはずです。必ず優れた能力を備えている。それを理解できない底の浅さが私たちの世代にあるとも言えなくもありません。私たちは「最近の若い者は・・・」的な視点にとらわれることなく、彼らの能力(特徴や長所)を見つける努力をし、「世代間の架け橋になる」という視点で探求していく役割も持っていようようにも思います。結局、世代間のギャップなどはいつの時代でもあることだからです。

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