人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

繁盛の種も、危険な芽も、すべては現場にある!

ひと昔前は、「直接見ないで買うのは抵抗がある」という意見も多く聞かれた通販ですが、商品の見せ方や売り方、決済方法の工夫などによって実際の買い物感覚に近づいています。また、買い物時間や労力の削減、いつでも買える手軽さ、価格の安さといったメリットも見逃せません。しかし通販には、実店舗での買い物に及ばない点がひとつあります。実店舗には「商品」以上の何かがあります。興味深い新製品を発見したり、馴染みの店なら店員とのやり取りで知人の訃報などを知ったり……。つまり、ものを手に入れながら、同時に情報も手に入るのです。

世の中の「便利」は買い物だけでなく、仕事のやり方も変えました。ところが、仕事に対する姿勢まで“コンビニエント”になってしまうと、最も重要な情報のありかを見誤ってしまいます。

ある会社の作業現場で機械トラブルが発生しました。生産ラインが止まって損失が出たことで、担当社員は上司に報告書を提出しました。ところが上司は、トラブル発生の経過や推測される原因、対処方法や今後の課題などが書かれた報告書を見て、「これではよく分からないから現場の写真を撮って来い」と言ったそうです。確かに現場の写真があれば、より分かりやすい報告書になるでしょう。しかし上司には、事のすべてを正確に把握して社長に報告する義務があります。机に座って「写真を撮ってこい」と指示するより、一度はトラブル現場に自ら足を運び、自分の目で確認して、部下に直接説明を求めるくらいのことをしてほしい。担当社員はそう思ったそうですが、それは当然だろうと思います。なぜなら、真の情報は現場にあるからです。

かつては現場に出た人も、立場が代われば職域も変わります。けれどどの立場でも、一番の情報ソースは現場にあることを忘れてはならないと思います。ふらっと現場を訪れた社長が、たまたま耳にした社員同士の会話から、数字では見えない我が社の実情を知る――。ホラー映画のような話ですが、実際にありそうな話でもあるでしょう。

 

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