人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

今の消費者を正確にとらえる

“ ゆれ“ で行動する人々

さて、最近の人々の行動には、ある特徴があります。
それは“ゆれ”で行動する傾向が強まっている、ということ。
どういうことでしょうか?

例えば「一流大学に入るような賢い人間が、おかしな宗教に入ってしまう」という不思議な行動がある。
合理的な判断のできる者であれば、わざわざおかしな宗教団体へ入るようなことはしないはず。
しかし彼らは、感情の“ゆれ”で入ってしまう。

高学歴の中にも勝者と敗者がいる。
その世界にも矛盾や不公平があり納得できないこともある。
一方でよいこともうれしいこともある。
そして一般人と同じように社会に対する不満や不安も持つ。
逆に希望も持つ。
その上に現代は、情報が多く世の中の動くスピードが速い。
このような複雑さと曖昧さの中で“ゆれ”が発生する。
そして非合理的な行動を起こすようになる。

商売の現場も同じ。
そのときは買う気はない。
しかし、日々のめまぐるしく移り変わる生活の中で考え方が変わり、ふと買う気になる。
それが“ゆれ”である。

お客はステルス化している。
動きが一律ではなくつかみどころがなくなっている。
いつ買うのかわからない、買うと言ったのに急に買わなくなる、買わないと言ったのに急に買うと言い出す。
売る側としては、今まで以上に「買うお客を1本釣り」することが難しくなっている。
従って、定期的なつながりを持ち、生活と精神に溶け込むことが、有効な手段となるのではないだろうか?

 

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