人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

となりのクレーマー / 関根眞一 (著)

副題は「《苦情を言う人》との交渉術」。元西武百貨店のお客様相談室長である著者が、1300件以上のクレーム対応経験から得た苦情処理のノウハウを伝授しています。

本書によれば、苦情処理のポイントは「相手の《人間》を知ること」。迅速で誠意ある対応が解決につながるそうです。そんなこと今さら言われなくても分かってる……と思われる方も多いでしょう。しかし昨今の苦情はかなり理不尽なものが多く、たとえば学校に無理な要求をする保護者を指して「モンスター・ペアレンツ」という言葉もあるほどです。

エスカレートする苦情に対してどこまで話を聞き、どこまで対応するべきか。理不尽な苦情とそうでない苦情をどう見分けるか。そのヒントが具体例を挙げて紹介されています。

著者自身「クレーム対応は、実際にはかなり厳しく、何度やっても楽しいものではありません」と書いているように、取り上げている9つの例は、詐欺師、うっぷん晴らし、愉快犯、言葉の暴力など、あまりのリアルさに読んでいてハラハラします。が、そこから見えてくるものは人間ドラマというか、著者による人間観察です。

副題にもある通り苦情処理は一種の《交渉術》です。しかも相手が感情的になっている分、一筋縄ではいかない真剣勝負。だからこそ相手の心理まで読んだ対応、つまり「相手の《人間》を知る」ことが解決の糸口なのでしょう。

場数を踏んでもノウハウを知っても、苦情処理は難しいものです。それでも、「苦情学は人間学」として取り組んだ著者の対処法は新鮮で興味深く、一読の価値ありです。

 

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