まだまだ売り上げを伸ばす余地はある
「今すぐに買うお客を探し回る」というやり方の中での成長余地は、年々減っています。
物質的な必要性と欲求で消費する時代は終わろうとしているからです。
だから、商品単品、サービス単品で売ろうとしても、なかなか売れません。
しかし私たちには、まだまだ売上を引き上げる余地が残されているといえます。
なぜなら、今の消費者の求めが「モノ」から「間柄」といった血の通った要素へ移行しており、
それに伴い、これまで私たちが忘れてきた部分、おろそかにしてきた部分で、
大きな成長余地が生まれているからです。
いわば、今までとは真逆のところに、多くのお客がいるわけです。
■ 成長余地1 今いる顧客を介した新規客の獲得
新しいお客を集めたいと思うのならば、
今いる既存客や見込み客に対して、改めてあなたの存在と魅力を伝えることです。
すると、新たなお客が集まりやすくなります。
なぜなら、今のお消費者は、知人の一言で動くからです。
あなた自身も何か買うときには、広告や訪問セールスよりも、知人の言うことを信じるのではないでしょうか?
ひとつ間違いなく言えることは、知らない業者にポンポンと手を出すような人は確実に減っているということ。
この行動は、社会が混迷を深めれば深めるほど加速します。
だからこそ、顧客の生活と精神に溶け込んだ者が、強い集客力を持つようになるのだと思います。
■ 成長余地2 なじみと信頼による収益力の向上
利益を出したいと思うならば、お客となじみの関係になることです。
すると、利益を上乗せできます。
私たち商売人は、利益をいただく余地がどんどん失われています。
このような状況の中で利益をあげるには、お客となじみの関係になることです。
なじみという間柄は「安心」となって、お客の気持ちを満たすことにつながる。
従って、その安心に見合った正当な利益をいただける余地が生まれるわけです。
社会が混迷を深めれば深めるほど、なじみという間柄は価値を増します。
だからこそ、顧客の生活と精神に溶け込んだ者が、強い収益力を持つのです。
■ 成長余地3 待つことによる成約率の向上
成約率を上げたいと思うのならば「待つ」ことです。
待てば、その中から買う人が確実に出てきます。
「買いたいけど、今は買えない。でもいずれ買いたい」
こんな消費者が増えています。
しかしお客は「お金が足りないから買えない」とは言いません。
「今は必要ない」と言って断るのです。
商売人はここを取り違えてはいけません。
「必要ない」と断ったのではなく「お金が貯まったらあなたから買いたい」と言っているのです。
これは経済の低迷期に現れる巨大マーケットのひとつです。
だからこそ、顧客の生活と精神に溶け込んで静かに待つ者が、高い成約率を持てるのです。
■ 成長余地4 共感による需要の喚起
自分の商品をほしいと思ってほしければ、共感を得ることです。
共感を得ることができれば、売れる可能性も高まるし、利益もいただけやすくなります。
今の消費者はモノを欲しがりません。シンプルに生きようとしています。
だから買うお客を探してもいません。
つまり、従来のように、商品単品、サービス単品では売れない。
従って「全体を持って商品となす」ということが必要となります。
しかし、私たち商売人は高度に共感を得ていくような取り組みなどできません。
だからこそ、愚直に顧客の生活と精神に溶け込むのです。
その地道さが、真の信頼に裏打ちされた大きな共感と感動を生むことになります。
■ 成長余地5 関係性というニッチ市場による需要の喚起
買う人を増やしたいのならば「顧客の心の市場」というニッチ市場へ参入することです。
それによって、商品を変えずに勝つことができます。
モノが売れなくなったひとつの理由として「大衆消費が消えている」という事実があります。
今、みんなが買っていたものが売れなくなっています。
「みなが買う商品」という大きなボリュームゾーン、全体市場が急速に縮小しているわけです。
今起こっていることは、マーケットの細分化です。
つまり、全体の市場は小さくなっているが、その中のニッチ市場、こだわり市場は伸びている。
しかし、私たち中小零細企業は、新しい商品を開発することはできません。
だからこそ、特定の顧客の生活と精神に溶け込むということを行う。
ニッチ市場は、モノだけではありません。
「お客との関係性」という市場もあるのです。
この市場で一番をとれば、オンリーワン商品を開発したことと同じことになります。
■ 成長余地6 好かれることによる善循環
商売は、なによりも好かれることが「肝」です。
すると、あらゆることがスムーズに運びます。
商品の必要性を説得したり、欲求を刺激して売ろうとする前に、好かれることです。
好かれて初めて、こちらの語ることをお客は受け入れてくれます。
問題は、買う人がいない、モノが売れないということではありません。
これはあくまで、マクロな話です。
問題は「好かれていない、信用されていない」ということです。
あなた自身も、相手が好きな人、信用している人であれば、
詳しい説明がなくても買ったり、必要以上に買ったりするのではないでしょうか?
だからこそ、顧客の生活と精神に溶け込んで、好かれる努力をすれば売れるのです。