売れない時代における商売の方向性
強烈な本能マーケティングの時代
感情マーケティング、インターネットマーケティング、バイラルマーケティングなどなど・・・ この10年、いろいろ流行りましたが、本能マーケティングの時代になっていると感じています。 どういうことか?
例えば、セブンカフェがあります。 言わずと知れた、セブンイレブンで売っている「淹れたてコーヒー」のことです。 この商品は爆発的に売れているのですが、 その理由のひとつが「飲み口」。 飲むとき、お母さんのおっぱいを吸うのに似た感覚を持つ・・・。 マクドナルドのシェイクもそうです。 お母さんのおっぱいを吸うのと同じ力で吸った時に、 口の中にシェイクが入ってくるようになっている。 人は無意識にこれらの魅力に取りつかれて、商品を買う。
セブンカフェが本能をくすぐるもうひとつの要素。 それが、手触り。 ザラザラしている。 持った時の絶妙な存在感ともいうべき感触が人を引き付ける。 本能的な魅力というのは、言語化できません。 何がいいのか、うまく言葉で言えない。 そもそも、自分がその魅力に魅かれていることに、自分で気づかない。 しかし、強烈なものがある。潜在意識を刺激されるので強烈なのです。
伊那食品という会社も似た構造で繁盛しています。 この会社の商品、正直、特においしいわけでもない。 価格も高い。でも売れる。 なぜか? この会社が好きだから。 地域での取り組み、物事に対する考え方が好きだから。 商品がどうということではなく、「好き。だから買っちゃう」という本能。 では、私たち一般の中小企業にできる本能マーケティングはあるか? 「顧客と定期的なつながりを持つ」ということが、ひとつできることではないかと思います。
人は、自分につながりをコツコツ持とうとする相手に気持ちを寄せるようになる。 足しげくやってくるノラ犬や猫さえも人は好きになる。 けなげでかわいく映る。力になってあげたいと思う。 無意識のうちに情が移るという現実がそこにある。 私たちは、犬や猫ではない。 しかし、お客さんというのは、コツコツつながりを持とうとする相手を好む。 「つながりのある相手と、突然現れる相手・・・」 どちらから買うかと言えば、つながりのある相手から買う。 これは、理屈ではなく、本能。
つながりを持つ際、やはり手に取れる存在感がほしい。 だから情報紙のようなものは、今だに使えると思う。 というか、こういう時代だからこそ、見直されてきている。 無機質なデジタルでいっぱいの社会。 地域で営業する者が、わざわざ無機質なステージに乗る必要もない。 なぜならお客さんは、手ざわりや温かみ、という存在感の得られるものを求めているからです。
文責:小野博史
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