人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

顧客フォローの真髄

宿泊客のお世話をするホテルのコンシェルジュは、食事の希望やツアーの案内から、チケット手配、交通機関の予約、果ては奥さんに贈るプレゼントのアドバイスといった個人的なことまで、常識の範囲で問題がなければ何でも相談に乗ってくれます。宿泊客にとっては何とも心強い存在でしょう。高級ホテルには必ずコンシェルジュがいます。そのサポート力がきめ細やかであるほどコンシェルジュの存在価値は高まり、ひいてはそのホテルの価値も高まります。コンシェルジュのサポート力は、お客さんのリピート率を左右する重要なポイントでしょう。

この構図を仕事に当てはめても同じことが言えます。例えば営業マンは、自社の商品やサービスを売り込み、提供するのが仕事ですが、実際にはそれ以外の部分で何を提供できるかが勝負です。いかに顧客をフォローするか。その内容ややり方が営業マンとしての評価につながり、フォローがきめ細かい人ほど顧客との関係が良好なのは言うまでもありません。以前ご紹介したBMWのカリスマ営業マン舘野文誉(ふみたか)さんは、休日でもほとんどスーツを着用し、顧客が望めば時間に関係なく駆けつけ、自分のプライベートを削ってでも顧客に尽くそうとするそうです。

顧客にどこまで寄り添うかの判断は時と場合により、すべての顧客に同じフォローをする必要はないかもしれません。しかし、フォローの内容に差はあっても、気持ちに差があってはならないと思います。逆に言えば、すべての顧客を同じようにフォローできても、顧客を思う気持ちに差があれば、フォローが実を結ばない確率が高くなりはしないでしょうか。

困ったら まずはあの人に相談しよう。そう思ってくれそうな顧客が何人思い浮かぶでしょう。どこまでフォローできるかは別問題として、「お役に立てることがあれば喜んで」という気持ちだけは、すべての顧客に等しく持っていたいものです。

 

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