ビジネスお役立ち知識
「マイナス思考」があるからこそ、うまくいく。プラス思考礼賛の弊害。
成功哲学を説く本は「プラス思考」が基本です。前向き、ポジティブシンキング、攻めの戦略……表現は違っても「プラス思考」こそ目標達成に不可欠な要素であると説明します。しかし世の中には、プラス思考主義に居心地の悪さを感じている人もいるのではないでしょうか。ときには後ろ向きな気持ちになってしまう自分はダメなのか……と。
プラス思考主義がしっくりこないのは、「何故プラス思考で生きるのか」があいまいだからでしょう。それが《成功》のためなら「何のための成功か」までを深く追求しなければ、他人の哲学はいつまでたっても自分の哲学にはなりません。「自分にとっての成功とは何か?」それを突き詰めていく《暗号》を与えてくれるのが本書です。
■ 天命の暗号 / 出口 光 (著)
著者はこう断言します。「プラス思考礼賛には弊害がある」。人間にはもともと「プラス思考」も「マイナス思考」も両方備わっている。何故なら必要だから。それなのに無理やりプラス思考だけにもっていくと破綻する。両方の存在を認め、さらにその下では《不動の魂》が両者を支えていることを知る――。本書を読み進めるうちに、プラス思考主義が、実は究極のマイナス志向だったと気づかされるでしょう。
タイトルの「天命」という言葉に大げさなものを感じるかもしれませんが、「自分が本当にやるべきことは何か」という問いは誰しも持っているように思います。本書に用意された22の質問に丁寧に答えていくことで、じわじわと自分の《天命》に気づかされた人は少なくないようです。