人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

この世でいちばん大事な「カネ」の話 / 西原理恵子(著)

本書のタイトルに「身も蓋もない」と思った方。それは正しい感覚でしょう。すでにお金を稼いでいる大人からすれば、「なにを今さら」の話だろうと思います。それでも著者が、「どんな時でも働くこと、働き続けることが『希望』になる」とあえて書くのは、この本がジュニア向けだからです。

著者の西原理恵子さんは、毎日新聞の『毎日かあさん』でおなじみの漫画家です。貧しい幼少時代。アルコール依存症で亡くなった実父。ギャンブルの借金で自殺した継父。そんな生い立ちから漫画家として成功し、その後も怒涛の人生を送りつつ自らの経験をギャグマンガにする無頼派の著者が、本書で中高生に伝えたかったメッセージは「お金との接し方」。

「お金との接し方は、人との接し方に反映する。お金って、つまり『人間関係』のことでもあるんだよ。」

自分でお金を稼ぐようになってから、改めてお金について考えたことはあるでしょうか。お金を稼ぐ。お金を回す。利益を上げる……。常日頃そんなことは考えても、お金って何だろうと真剣に考えることはあまりないように思います。しかも経済状態がこんなときです。悠長に「お金とは?」などと考えている場合じゃないと思う方も多いでしょう。それでもあえて本書をお勧めするのは、お金について真剣に考えることで、お金を稼ぐ、お金を回す、利益を上げる目的の根本に立ち返ることができるからです。

生々しいお金の話は好まれません。でもリアルな「カネ」の話は「働く」こととイコールです。

 

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