人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

仕事力を2倍にするビジネス書の読み方

俗に言う “柳の下の二匹目のドジョウ本”の売上を支えているのは“コアな読者”だそうです。たとえば、次々と出版されるビジネス書を誰が読んでいるかと言えば、その多くはたまたま手に取った人でしょう。しかし中には、手当たり次第に買う人もいます。そんな人こそコアな読者です。

ビジネス書は“参考書”であって、絶対的な正解でも究極のノウハウでもありません。ところが、書いてあることをいちいち自分に当てはめて、「本の通りにいかない」「こんなこと自分には無理だ」などと不安になり、また新たな本に手を伸ばす“ビジネス書スパイラル”におちいっているのがコアな読者かもしれません。最近で言えば“鈍感力”という言葉が良い例でしょう。渡辺淳一氏の著書『鈍感力』がベストセラーになって以降、「ビジネスマンも鈍感力で成功を手にしよう」的な風潮があります。

失敗を恐れず、細かいことに気を取られず、マイペースで自分を貫けば仕事も上手くいく――。確かに一理ありますが、それも本人の性格によります。もともと神経の細やかな人がマイペースで仕事を進めようと思えば性格を変えなくてはならず、それは売上を2倍にするより難しいかもしれません。自分が鈍感タイプではないと思えば鈍感力の逆を読む、つまり“敏感力”をビジネスでいかすにはどうすべきかと考えながら読むことが参考書としての読み方でしょう。

もしも究極のノウハウがあるなら、人に教えたりするでしょうか。けれどヒントくらいは与えてくれるかもしれません。それがビジネス書だと思っておけば、読むだけで仕事力が上がることはないと気づくはずです。ビジネス書を読むことは自己マネジメントの一つだと思います。その本から“何を”読み取るかにそのときの自分の状態が現れるのです。漠然とページをめくるのではなく、引っかかる言葉があれば書き出しておき、何故気になったのか考えてみると本当の実力になっていきます。斉藤孝氏の『三色ボールペン方式(※)』を活用してみるのもいいでしょう。※参考:斉藤孝『三色ボールペンで読む日本語』(角川書店)

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