ビジネスお役立ち知識
即戦力の社員はどこにいるか?
社員一人ひとりの力が即業績に反映する中小企業ほど、優秀な人材の確保が必要です。しかし実際は、中小企業の経営者の多くが人材不足に悩んでおり、「募集しても人が集まらない」と嘆いているようです。待遇の問題なのか、職種の問題なのか。人が集まらない理由をそのへんだと考えている経営者の方々は、もしかすると分析の方向性が間違っているのかもしれません。
昨年の12月、山手線に乗っていた知人は、一枚の車内中づり広告に目が釘付けになったそうです。広告主は東芝。なんと驚いたことに、東芝のキャリア採用求人広告だったのです。
電車の車内広告による求人は、若者をターゲットにしたリクルートなどがよく用いています。限られた空間や時間の中でふと目にするものには「視覚強制力」があるそうで、リクルートほど知名度のある企業でも求人にはそれだけ力を入れているわけです。とは言え、広告に長けたリクルートが車内広告で求人するのは企業イメージにも合っており、意外性は感じません。通勤や移動で電車を利用する学生やサラリーマンが何気なく目に留めて、興味があればWEBで詳細を確認するだろうことも容易に想像できます。
知人が見た東芝の広告は、イメージ戦略的なリクルートとは正反対の“無骨”なものだったようです。「東芝」と「キャリア採用」の文字がひときわ目立つ、まさに“求人広告”といった雰囲気。それを車内中づりでやっているのです。「東芝は本気だな」知人はそう思ったそうです。
中小企業の求人方法は、ハローワーク、地元の新聞、地元の就職系タウン誌あたりがメインでしょう。ただこれでは、何度求人広告を出しても見る人が限られています。いくら大声で呼びかけても、その場所にもともと人が少なければ返事をする人もそれなりで、その分、求人の選択肢にも限度があります。
即戦力は求人広告の地域外にいるかもしれません。が、彼らはあなたの会社の存在を知らないのです。けれど求人広告の媒体を変えて募集範囲を広げてみたら、彼らにもあなたの呼びかけが届くのではないでしょうか。