ビジネスお役立ち知識
女子高生と上手に組んでヒット商品を生む方法。
数あるブームの中心は多くの場合若者で、なかでも“女子高生発”のブームは大きなヒット商品の可能性を秘めています。女子高生の購買力、アイデア、口コミには企業も以前から注目しており、新商品開発に彼女たちの意見を反映させることは80年代あたりから行われてきたそうです。女子高生が「カワイイ」と感じるものをリサーチし、女子高生と一緒に商品開発に乗り出したある企業は、発売した商品と共にその取り組みが注目され、話題を呼びました。
■「キラキラしてかわいい、前向きな自分になれる」
女子高生とコラボレーションしたのはポッカコーポレーション(以下ポッカ)。ポッカは東京都の品川女子学院をビジネスパートナーに、女子高生の「こんな商品がほしい!」という要望を具現化してみようと始めたのが、ピーチ風味のウーロン茶「桃恋茶(とうれんちゃ)」の開発でした。同学園では、28歳になったときに社会で活躍している女性の育成を目的とした「28project」を実施しており、その趣旨に賛同したポッカが女子高生との本格的な共同企画開発に乗り出したのです。
「28project」で出された生徒のおもなアイデアは、
【1】ダイエットにうれしくておいしく飲める飲料
【2】香りだけ甘く、ノンシュガーでも満足できる飲料
【3】キラキラしたいと願う自分を応援する飲料
ポッカはこれらのアイデアを受け、「甘さゼロでものど越しが良くて桃の香りに癒され、キラキラしたかわいいパッケージのノンカロリーウーロン茶」といった商品のアウトラインを作り上げました。パッケージデザインや販促方法にも女子高生のアイデアを採用し、発売に際しては女子高生との共同企画を全面的にアピールしました。その結果、関東エリアで発売された桃恋茶は多くのマスコミの注目を集めたのです。
この試みに対してポッカは、「10代女性をターゲットにした新しい顧客の獲得を目指せる」と、企業にとってもメリットが大きいと話します。ビジネスマンにとって女子高生は「未知の生物」くらい遠い存在かもしれませんが、情報と“小金”が忙しく動いている女子高生の世界には、「未知のヒット商品」がまだまだ眠っているでしょう。