ビジネスお役立ち知識
トップマネージメントのチームワークこそ企業の生命線
上層部で起こる問題はその下にある組織に大きく関係します。何故なら、組織のトップは最も影響力を持つ集団だからです。
以前のトリノ五輪でも、開催直前になってJOCや競技団体の詰めの甘さから、ボブスレーとスピードスケート選手の出場資格を巡る問題が起こりました。全体を管理する立場の人間が選手を振り回した失態は今後の大きな課題でしょう。
企業でも、上層部と社員の間で起こる温度差は、回りまわって会社の業績に反映されます。たとえば、組織作りにおいてチームワークは不可欠です。「職場の和を尊重する」という精神論も含め、チームを組むことで個々の生産量の総和を上回る業績を目指す。つまり1+1を2以上にするためにチームワークが重要となるのです。
ところが、社員にはチームワークの重要性を説きながら、上層部では縄張り意識をむき出しにした権力争いが起こっていたり、折り合いの悪さから意思の疎通がスムーズに行われていなかったりするケースが少なくありません。
営業1課と2課で共同プロジェクトを組んだある会社の例では、1課と2課の部長が対立関係にあったため、全体の方針が決まっていたのに部長たちの足並みが揃わず、次第に言動にもずれが生じてきたそうです。そのうち部下の間にも派閥めいたものができ、結果的に大きな損失を出してプロジェクトは大失敗でした。
影響力の大きなチーム、すなわちトップマネージメントチームこそ、チームワーク重視で一体感のある経営を目指さなければ、それ以下の組織のチームワークに悪影響を及ぼすのは目に見えています。1+1を2以上にするどころかマイナスになる可能性もあるわけです。
社員レベルでチームワークが乱れるのを子どもの張り手に例えれば、トップマネージメントレベルでは相撲取りの張り手くらいのダメージがあることを上層部は自覚しておくべきでしょう。トップマネージメントチームのチームワークこそ、企業の生命線なのですから。