人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

ビックリ箱の発想で大ヒット

食べ物を開発するなら、最低でも「味」の合格ラインを意識するでしょう。ところが、「率直に言って、おいしさは追求していません。」という商品が大ヒットしています。味でなければ、消費者は何に興味を持っているのか。答えは、「食べてみなければ分からない」というビックリ箱発想です。

 

■ご当地グルメをそのままドロップスに!

ドロップスの常識をくつがえして大ヒットしているのが、日本各地のご当地グルメをドロップスにした「ご当地ドロップス」。驚くべきはそのラインナップです。ジンギスカン(北海道)、いも煮(宮城県)、餃子(栃木県)、もんじゃ焼き(東京都)、あなごめし(広島県)、佐世保バーガー(長崎県)、冷や汁(宮崎県)、ラフテー(沖縄県)など現在約60種類。さらに企画中のものが約50種類あるそうです。

4年前の発売当初は種類が少なく、年間販売個数も約5000個と、知名度も売り上げも鳴かず飛ばすでした。ところが昨年秋、状況が一変しました。ご当地ものブームとB級グルメブームに後押しされて売り上げが一気に加速。そこで本格的なシリーズ展開をしたところファンが急増し、2009年上半期の売上が約10万個に達したのです。ヒットの理由は、味の見当がまったくつかないことだとか。開発元の日本観光商事も、おいしさの追求よりご当地グルメの味を忠実に再現することを最優先しているそうです。食べ物というより面白い観光土産として、または罰ゲーム用のアイテムとして、ご当地ドロップスの人気は続きそうです。

「キモかわいい」という若者言葉があります。「キモい(気持ち悪い)」と「かわいい」を合わせたこの造語は、不気味なのに何だかかわいいものに対して使われます。「食べてみなければ分からない」ご当地ドロップスも、「キモかわいい」に通じる感覚で買う人が多いのでしょう。販売場所は、各地の土産物店や駅のキオスク、空港内の売店、道の駅など。旅先の浮かれ気分はビックリ箱発想とマッチして、これも大ヒットの要因でしょう。

 

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