人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

会社という砂漠がオアシスに変わる100滴 / 杉山弘道(著)

『会社という砂漠がオアシスに変わる100滴』、通称『100滴本』。この本を一般的なビジネス書感覚で読み始めると見事に裏切られるでしょう。経営学、マーケティング手法、そこに哲学の要素を絡めて精神面までカバーした本書はなんとも形容しがたい内容ですが、一つ確実に言えるのは《とにかく役に立つ》ということです。

著者の職業は社長専属コンサルタント。会計事務所に12年間勤務した中で千社以上の企業にかかわり、数多くの社長に出会ったそうです。その後独立するのですが、ビジネスの中でも《社長》に関するコンテンツなら誰にも負けないということで『社長専属コンサルタント』と名乗り、メールマガジン『砂漠に水』で《小さな会社だからこそ成功する秘訣》や《なんだかんだ言っても生きたもん勝ち》というノウハウを、毎日発信し続けています。それを一冊にまとめたのが『100滴本』です。

何故《とにかく役に立つ》のか? それは、ビジネスという形を通して人生の本質を語っているからだと思います。終始一貫して主語は『私』。キレイごとは一切なし。だから説教くさくない。「やり続けることこそ生き残る道」というメッセージは、「ビジネス書なのに泣けました」とか「普通の主婦ですが、これを読んで生き方を再確認しました」と言わせてしまうのです。

「この世の中、決してキレイごとだけでは生きていけない。なんでもかんでもことあるごとに「努力」のひと言で済ませてしまうというお決まりが、私には虫唾(むしず)が走るほど受け入れがたい」

こんな《杉山節》に時にはパンチを喰らい、時にはジーンとさせられながら、1滴ずつ味わうように読みたい不思議な本です。

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