人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

効果を実感する仕組みを作れば、すぐにヒット商品!

似たようなものが氾濫する中で、突出して大ヒットする商品がたまにあります。英語教材で記憶に新しいのは、英語のタイピングゲーム「えいご漬け」(プラト)。2001年に第一作を発売して以来、このジャンルでは異例のヒット商品となっています。その後2006年に、ニンテンドーDS版「英語が苦手な大人のDSトレーニング えいご漬け」が発売され、さらに大ヒットとなりました。

 

■効果が出るから面白い。だから人にも勧めたくなる

「えいご漬け」は、聞こえてきた英単語や英文を書き取るというシンプルなゲーム。しかし、耳と手を使って目で確認する作業が、「単純に面白いから続けられる」「ちょっとした空き時間の暇つぶしにもってこい」などの理由で好評となり、ゲームを通じて英語に接する機会を増やしました。その結果、「英語に対する苦手意識が減った」「語彙(ごい)が増えた」「旅行で役に立った」といった効果を実感させることに成功しています。

2007年の大ヒット商品、短期集中型エクササイズ「ビリーズブートキャンプ」のDVDも、効果を実感させる仕組みが見事にはまった例です。運動によるダイエットは続きにくいものですが、ビリーズブートキャンプに関しては利用者のほとんどが効果を実感しています。つまり、プログラムをちゃんと実行したのです。その理由は、ビリー隊長の“励ましコミュニケーション”でしょう。従来のダイエットビデオはインストラクターがお手本を見せるだけでしたが、ビリー隊長はお手本を見せながら、「頑張れ! もう少しだ!」「疲れたら休んでいいぞ! でもあきらめるな!」と常に声を掛けます。そんな励ましに勇気づけられてこなすプログラムは相当ハードで、実行すれば効果が出ます。効果の出るダイエットがヒットしないわけがありません。

 

効果を実感してもらうには続けさせること。「えいご漬け」はゲーム感覚が、「ビリーズブートキャンプ」はビリー隊長の軍隊に入隊するというストーリー性が、それぞれを続けさせるキモでした。続けるうちに効果が出れば、それを人に伝えたくなるのが人間心理です。効果を実感する仕組みを作ってしまえば、あとは口コミでヒットしていくのです。

 

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