人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

目標は、「憧れ」ではなく目の前に課題に挑むこと。

香山リカさんの『しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール』(幻冬舎新書)が以前売れました。その理由は、10のルールの最後にあたる「勝間和代を目指さない」に反応した人が多いからでしょう。自己啓発の権化とも言えそうな勝間和代さんのような生き方を“ふつう”の人が目指しても息切れするから、あなたはあなたらしく生きましょう。そんな趣旨ですが、「自分らしく」生きようとして息切れしている人がいるのも、これまた現実です。

それはさておき。スゴすぎる人を目標に頑張っても息切れするのは確かです。「目標」とは、実現や達成に向けた行動の目安です。イチロー選手に“憧れて”大リーグを目指すのはモチベーションとして健全ですが、イチロー選手を“目標に”野球をしても、彼ほどの選手になるのはほとんど不可能です。イチロー選手を目標に頑張れば頑張るほど自分の能力に限界を感じて、野球を続けることすら辛くなってしまうでしょう。

憧れは漠然としたイメージです。漠然としたものを目標にしても到達点が明確でなければ行動もあいまいで、ただ自分が混乱します。要は、「憧れ」でも「目標」でも言葉はどうでもいいのですが、重要なのは具体的な行動を起こせる状況をいかに作るかです。そのためには、目の前にある実現可能なことを着実にこなしていくしかありません。もしも本気で「世界のイチロー」を目指すなら、まずは「地元のイチロー」と呼ばれるところからがスタートでしょう。

その「世界のイチロー」こそ、目の前の実現可能なことを着実にこなしてきた人です。2004年にプロ通算2000本安打を達成したとき、次のようにコメントしました。「次の目標は次のヒットです」。繰り返しますが、「目標」とは実現や達成に向けた行動の目安です。漠然と憧れているだけではどこにもたどり着けそうにありません。

 

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