人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

社員のコスト意識を高めて利益を出す方法。

日本一の金持ち企業と言われるトヨタの社内では、「乾いたタオルをさらに絞ろう」という言葉がよく使われるそうです。これは、社員にコストダウンの重要性を知ってもらうと同時にコスト意識を持って働くことを促すためで、結果としてトヨタの経常利益がずば抜けた数字であることはご存知でしょう。

ビジネスの継続的な利益を確保していくため経営者は常に費用対効果を意識します。しかし、実際に取り組むのは社員であり、社員のコスト意識が薄ければ利益率は上がりません。多くの社員は売上増大という目の前の目標は頭にあっても、コストの最小化を意識しながら目標達成に向かうことができていないようです。限られた時間の中で質の高い仕事の成果を出せる社員、すなわち“時間=コスト”という意識を持った人材を育てることが企業利益につながるとすれば、社員にコスト意識を根付かせるのは経営サイドの取り組み方次第でしょう。

そのためには、自分にどれだけのコスト(経費)がかかっているかを理解してもらい、費用対効果(コストメリット)を上げる指導をする必要があると言われます。給与などは“意識しやすいコスト”ですが、福利厚生費、退職金積み立て、研修費などの“見えないコスト”までを含めると、社員1人を雇うコストは給与の2倍を超え、時給2,000円の社員には低く見積もっても1時間当たり4,000円を負担していることになります。さらに、事務所を維持するための経費(家賃、設備費、冷暖房費など)もあり、まずはこれらをトータルしたものが“自分にかかっているコスト”であると社員に理解してもらわなくてはならないでしょう。

その上で、ある企業は社員にコストダウンを促し、削減した分は給与や賞与として還元する仕組みを作ってモチベーションを上げているそうです。また、社内の情報やスケジュールを共有することで“社員の労働時間=お金”といった意識が生まれた会社もあるようです。「リーダー自らがコストを意識する姿を見せることが社員には最も有効である」と語る経営者は、出張の際にエコノミーを利用し、それ以上のランクを利用するときは自腹を切るそうです。

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