人は、何かを買うために生きているわけではない。よい人と出会い、よい人生を送るために生きている。そこに、消費者があえて口にしない、真の欲求がある。

ビジネスお役立ち知識

若手社員を稼ぐ社員に育てるための上司の接し方。

会社での人間関係を大事にして、上司や先輩から教えを請い、専門知識を身につけて会社に貢献したい――。そう考えている若手社員が増えているともいいます。ところがその一方で、「この先やっていけるか不安になった」と訴える若手も少なくないようです。若手社員を支援する某情報サイトのアンケート結果によれば、半数近くの若手が、「上司がちゃんと仕事を教えてくれない」「仕事の意義が分からないのに頭ごなしに『やれ』と言われ、意欲がなえる」といった悩みを抱えており、また、「いつまでも先輩のアシスタントではなく早く自分で結果を出したい」「自分が成長できる仕事をしたい」など、若手と上司の意識的なギャップも浮き彫りになっています。

何を生意気な……と思われる方もいるでしょう。自分たちが若手だった時代は、上司や先輩から「仕事は自分で覚えるもの」「やり方は見て盗め」と言われ、実際にそうやって仕事を覚えてキャリアを積んだ。そんな自負もあろうかと思います。

しかし、人事制度は年功序列から成果主義になり、以前はほぼ正社員だった社内には契約や派遣の社員が増えて雇用体系も変わり、今は社員の働く目的や仕事の意義が多様化しています。上司の仕事が「管理」であるならば、“教え導く”という部下の管理に置かれる比重が昔より大きくなっているのでしょう。かといって人間の脳は、手をかけすぎるとスキルはアップしても意欲は低下するようにできているそうです。

上司の役割が複雑化した今の時代に求められる「上司力」とは何か――。そのヒントは、フランスの詩人アラゴンの名言にあるように思います。

「教えるとは希望を語ること。学ぶとは誠実を胸に刻むこと」

数年後のイメージが描けないから若手の不安や不満が募るのです。それを払拭して若手と上司の意識的なギャップを埋めるには、愛情を持って「見て盗め」と部下を突き放すのではなく、言葉で希望を語り、部下をリードすることなのかもしれません。

 

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