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親孝行が生んだドクター中松の大ヒット商品!
「こんなものがあれば便利なのに」というアイデアのきっかけは、日頃の悩みや不満からばかりではありません。今から50年以上前、ある小学5年生が「母親に楽をさせてあげたい」と考えたことから、一つの発明が誕生しました。その親孝行な小学生の名前はドクター中松。
■醤油ちゅるちゅる
ドクター中松氏が最初に発明をしたのは5歳のときだそうです。そして、小学5年生の冬のある日。寒空の下で醤油を一升瓶から小瓶に移し変えている母親の姿を見て、幼少のドクター中松氏は思ったのでしょう。「もっと楽にお醤油を移し替える方法はないのかな?」。寒さに震えながら醤油の入れ替えに苦労していた母親への思いやりは、「醤油ちゅるちゅる」という発明を生みました。現在、「灯油ポンプ」として家庭の必需品になっているあの商品です。
ジャンピングシューズをはいたヘンなおじさん。ドクター中松氏にはそんなイメージが強いかもしれません。しかし、歴史上5人しかいない「世界一の偉大な科学者」に選定されたり、米国ニューズウィーク誌の「世界12傑」に日本人で唯一選ばれたりと、彼の発明実績は世界的にも認められています。ご存知の方も多いでしょうが、フロッピーディスクもドクター中松氏の発明です。
悩みや不満、親孝行などの思いやりや愛情。発端は違っても、発明のきっかけになっているものは人の心の中にある“何か”です。誰にでも心に引っかかる“何か”があるでしょう。見逃すこともできますが、その“何か”に人一倍こだわった結果が大ヒット商品を生み出すこともあるのです。発明件数でエジソンを抜いて世界第1位に輝くドクター中松氏は、今でも“何か”にこだわり続けているのでしょう。